遺産分割協議・調停・審判とは

遺産の分け方を話し合うための方法

はじめに

相続が発生し、相続人の間で遺産をどのように分けるか決める方法には

  1. 相続人間で話し合いの場を設ける(遺産分割協議)
  2. 裁判所を通じて話し合いの場を設ける(遺産分割調停)
  3. 裁判所に公平な分け方を判断してもらう(遺産分割審判)

の3つがあります。

遺産分割協議とは?

1 遺産分割協議を行う必要性

遺産分割協議とは、名前の通り、遺産の分け方について相続人間で協議を行うことです。
遺産については、遺言により分け方が決まっている場合を除き、法律上は相続人の間で等分されている状態となります。そのため、不動産などの場合は相続人それぞれが土地の権利を持っていることとなり、このままでは処分することができません。
そこで、遺産分割協議を行い、誰がどの遺産を取得するのか、話し合いを行って決める必要があります。

2 遺産分割協議の方法

遺産分割協議の場合、後述する遺産分割調停、遺産分割審判と違い、基本的に話し合う場所、人数、出席者に指定はありません。相続人間だけではなく親族全員で話し合っても構いません。当事者間で円満に話し合いが行える場合は、この方法が最も適切であるといえます。

※未成年者の場合は注意が必要です。

未成年者が相続人である場合は、親権者(法定代理人)が代わりに協議に参加することになります。もっとも、親権者も子も相続人であるという場合は未成年者の代わりに協議に参加することができない場合があります。
親の相続分を増やす場合、一方で子の相続分は減ってしまいます。このように、親権者も相続人である場合、未成年者の利益の実現をするためには自身の利益を犠牲にする必要があるため、未成年者の利益の実現が難しくなるのです。このような行為を、利益相反行為といいます。

第826条【利益相反行為】
① 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
② 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

遺産分割調停とは?

遺産分割調停とは、遺産の分け方について、裁判所を通じて話し合いを行う事を言います。これは、相続人間のみでは遺産の分け方について話し合いがまとまらず、第三者を介して遺産の分け方を決定したいといった場合に利用される方法です。
遺産分割調停における話し合いの方法は次の通りです。

1 遺産分割調停の申立て

①調停を行う裁判所について

遺産分割調停を行う場合、家庭裁判所に調停の申立てを行います。調停の申立先となる家庭裁判所(管轄裁判所)は,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所となります。
もっとも、相続人が複数いてそれぞれ他県に住んでいるなど、管轄裁判所が複数考えられる場合,どの家庭裁判所に申立てるかは,申し立てる人が選択できます。ただし,相続人の中でも特に意見が対立している方や,折り合いがつかない方と調停手続を通じて話し合うことが紛争の解決につながると考えると,その方の住所地を管轄する裁判所に申立てをすることが,結果として,スムーズな話し合いができる可能性は高いです。

②相手方について

調停を行う際は、相続人全員を調停に参加させる必要があります。なぜなら、相続人全員で決めなければ遺産を分けることができないためです。
そのため、遺産分割調停を申し立てる際は、相続人全員の氏名や住所を記載し、申し立てを行う必要があります。

2 遺産分割調停における話し合い

①調停の流れ

調停を申し立ててから、1か月程度の期間を置いて、1回目の調停が開かれます。
調停は、裁判とは異なり話し合いの場であるため、法廷ではなく裁判所にある調停室で行われます。
調停室には、裁判所から派遣される調停員がおり、相続人それぞれの話を聞き、遺産の分け方について話し合いがまとまるように調整を行います。

②調停での話し合いの方法

調停では、調停委員から呼び出しを受けて、調停室で調停員にご自身の意見を述べます。一方で、ほかの相続人は、ご自身が調停委員と話し合っている間は待合室で待機することになります。
そのため、他の相続人と顔を合わせたくないといった場合でも、直接会って話す必要がないため、相続人同士で話し合いを行うよりも冷静に話し合いを行うことができます。

③調停の進行方法

1回の調停につき2時間程度の枠が確保されており、相続人一人につき10分~30分程度の時間をとってそれぞれ聞き取りを行い、話し合いを進めていきます。
2時間程度経過した時点で、次回の日程を調整し、その日の調停は終了します。
そのため、相続人の数や話し合う内容が多いと、その分だけ話し合いがまとまるまで時間が掛かることから、遺産分割調停の回数も増えることになります。

④参加者

調停においては、原則として相続人本人のみが調停室で調停委員と話すことになります。そのため、相続人の友人や親族などの相続人でない方が同席することはできません。
なお、弁護士は遺産分割協議の代理を行うという名目で同席することができます。

⑤電話での参加も可能です

遺産分割調停は相続人全員が裁判所に集まって話し合いを行います。
もっとも、先ほど述べたように相続人全員が近場に住んでいるということは多くなく、相続人の一人が遠方に住んでおり、裁判所に行くことが困難な場合もあります。そのような場合は、家庭裁判所に許可を得て、電話での参加が認められています。

遺産分割審判とは?

1 遺産分割審判

遺産分割審判とは、遺産分割調停を行っても最終的に話し合いがまとまらない場合に、裁判所が当事者から提出を受けた資料などをもとに、遺産の分け方について判断を行う手続きです。
遺産分割においては、不動産を取得したい、不動産を売却してその代金を分けるべきだ、相続人の一人は生前に贈与を受けていることから相続分を減らすべきであるなど、相続人の方それぞれの主張があります。
そのような中で、それぞれの主張がどうやっても譲り合えず、折り合いがつかないという場合、最終的には裁判所がそれぞれの主張を考慮し、公平な形で遺産の分割方法を決定することになります。
審判は、相続人それぞれが提出した資料をもとに遺産の分け方を決めるため、ご自身の主張に沿った資料を提出することが重要であると言えます。

2 即時抗告

裁判所が行った審判について納得がいかない場合は、即時抗告という手続きにより、高等家庭裁判所に対して改めて審判を行うよう申立てを行うことができます。
即時抗告では、高等家庭裁判所という別の家庭裁判所が改めて判断を行うため、結論が変わる可能性はあります。
もっとも、高等家庭裁判所においても、新たな資料の提出がない限りは同じ資料をもとに遺産の分け方を決めるため、ご自身の主張する意見を支える資料が少ない場合、結論が変わらないこともあります。そのため、審判においては、可能な限りご自身に有利なを収集することが重要であると言えます。

最後に

本コラムでは遺産分割調停・審判の基礎知識を解説いたしましたが,実際の遺産分割調停に際しては,手続きの進行における細かな流れや、資料の提出において、専門的な知識を要する場面がございます。遺産分割に際して,少しでもご不安がございましたらお気軽にご相談ください。

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